ひびきの2−3−1


「八重さん!大丈夫?」
「……ええ」
 光の声に、苦しそうに息を吐きながら花桜梨は答える。
「とにかく、R−3のT−LINKを切りなさい。そうでないと、またさっきの念波の影響を受けてしまうわ」
 琴子の言う通り、花桜梨はシステムをOSから切り離した。
 だが、そんなことでどうにかなるとは、花桜梨は考えていなかった。
 あの恐るべき男の力は、そんな生易しいものではない。

(もう……終わったと思っていたのに)

 自分は、一生あの事件の呪縛から、逃れられないのだろうか。

「……わりいけどよ、ここはあたしの好きにやらせてもらう」
 そのほむらの声にいつもの朗らかさはなく、
「あいつらだけは……アヤサキ=フリートだけは、絶対にゆるせねえんだ!!!」
 剥き出しの怒りだけが迸っていた。
「核搭載だろうが知ったこっちゃねえ!!。あのガンダムだけは、絶対にあたしがゴッドリラーで仕留める!!!」
「ちょ、ちょっと!!ほむら!!」
 茜が止めるのも聞かず、通信は強制的に切れた。
「こうなった以上、やるしかないな」
「ときめきの次は、アヤサキ=フリートか。まったく、最初から強敵ばかりだなぁ」
「それなんだけどさぁ」
 純と匠の会話に、光が割り込む。
「その『ときめき』に、協力してもらおうよ」
 光の提案は、面々を驚かせた。
「あれ?何かおかしいかな?」
「だ、だって……さっきまで敵だったんだよ?」
「うん、さっきまではね。でも、これからは、わかんないでしょ?」
 悪戯っぽく微笑い、光は片目をつぶってみせる。
「ときめきとひびきのが協力すれば、どんな敵だって倒せるよ!まさに夢のタッグって感じだねっ!」
「だけど、そう簡単には」
「いいじゃない?ここは、光の口車に乗ってみましょう」
 琴子は、そういう言い方で親友の作戦に賛成した。
「麻生先生や白雪さん、佐倉さん、寿さん……はともかくとして……を欠いている今の私たちが、綾崎海軍に対抗できるはずもないわ」
「さっすが琴子!!良いこというなぁ〜〜〜!」
 ぱちぱち、と手を叩いて喜ぶ光。
「ときめきとひびきのの二大競演、見せてあげようよっ!」


第二話
「信じて欲しい 君の涙を見たくないから」(3)




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