メネシスラボ司令室に、非常警報が響き渡った。
「森林区方面より、高速で飛来する二つの反応があります!。MSクラス1、スー パーロボットクラス1!」
 メネシスは慌てた風もなく、鷹揚に頷いた。
「あそこは衛星カメラがカバーしてるはずよ。映像だせる?」
「は、はいっ」
 研究員が素早く計器を操作すると、モニタに二機の戦闘機が映し出される。
「データ照合、いそいで」
「あの鳥型の戦闘機は、例の地球に降下した五機のガンダムの一機、ガンダム01と 思われます」
「巨大戦闘機の方は、データにありません。LEAFのウェーブライダーに形状が似 てますが」
「違うわね。あれは、アタシが設計したALARICだよ」
 済ました顔でモニタを見つめながら、メネシス。
「ようやくタイトーは完成させたんね。よくパイロットが見つかったモンだわ」
 ひとりごとのようにそう呟くと、素早く指示を出す。
「ハンナとリンダの最終訓練は中止。すぐに出撃準備させて」
「あ、待ってください!地上に新たな反応2っ!」
「き、機械獣ですっ!」
 機械獣とは、PCE戦争中に使用された、AI搭載の無人戦闘メカのことである。 今ではあまり使用している部隊もない。
「ぐふふ。あんなものまでひっぱり出してくるなんて。ただのテロでもないみたいだ ねぇ」
 メネシスは、ひびきのに帰還命令を出すよう、研究員に命じた。
「あの、軍には救難信号を出さなくていいんですか?」
「出さんでいいよ」
 メネシスは、内心でほくそえむ。
(ここは、ワタシの科学力をドルファン中に轟かすいい機会だわ)


 戦闘服に着替えるロッカールームで、リンダは「ところで」とハンナに声をかけ
る。
「いい加減、グレートを乗りこなす自信はつきまして?」
「……もちろんだよ」
 ムスッとした表情で答えるハンナ。
「もし無理だとお思いになったら、いつでも代わってさしあげましてよ」
「結構だよ!」
「身体能力でもシュミレーションでも私の方が上ですのに、何故あなたがグレートの パイロットに選ばれたのかしら?」
 意地悪い笑みを浮かべながら、リンダ。彼女は、その理由を知っているのである。
 リンダは、ドルファン有数の資産家であるザクロイド家の令嬢である。その優れた 能力ゆえにメネシスの目にとまったのだが、ザクロイドとしては大事な令嬢を最前線 送りにするわけにはいかない。
 そこでリンダはグレートマジンガーではなく、そのサポートメカであるビューナス Aに搭乗することになった。どちらにしても危険は伴うのだが、実戦というものを知 らないリンダの父は、それで納得したのだった。
「私は、グレートでも構いませんでしたのに」
 長い髪をかきあげ、自信満々にリンダは言う。
「この私が戦場で活躍することによって、旧家のピクシスやエリータスを黙らせるこ とができる……。これからはザクロイドの時代だということを、古ダヌキどもに教え てさしあげますわ」
「ハイハイ。アンタは偉いよ。まったく」
 着替えを終えたハンナ、「先にいってるよ」とロッカールームを駆け出て行く。

(……悔しいけど、確かにリンダの言う通りだ。今のボクじゃ、グレートを乗りこな
せてない)

 格納庫に向かって走りながら、ハンナは思う。
 リンダとは陸上競技でもライバル関係にあるが、ハンナは一度も彼女に勝ったこと がないのである。
「でも、今度こそ……。勝つんだ!絶対に!」
 素直すぎる一言。それだけに、その想いは純粋だった。
 その決意を秘めた視線の先には、赤い小型戦闘機がある。
 ブレーンコンドル。グレートマジンガーのコクピット部分になる戦闘機だ。
 颯爽と飛び乗り、操縦管を握り込む。
「ブレーンコンドル、スイッチオンッッ!!!!」
 ノズルの噴射音が格納庫に轟き、ハンナは出動していった。
「ふふ、張り切ってますこと」
 遅れて、リンダも姿をみせる。
 やや丸みを帯びたデザインの戦闘機、「クインスター」が彼女を待つ。
「さぁ、いきますよわよ!クインスター、ゴウッ!!」




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