ひびきの2−2−3



 R−3の異変に、ひびきののメンバー全員が気づく。
「ど、どうしたの八重さん!?」
「ちょっと、落ち着きなさいよ」
 光と琴子が呼びかける。
 だが、花桜梨は荒い息をついたまま、答えようとしない。
「みんな、何か変だよ!」
 トロイホースから、通信が入る。
「この宙域に、正体不明の念波が放射されている」
「じゃ、じゃあ八重さんの異変は?」
「ああ、まちがいなくそれが原因だ」
「でも、あたしはなんともないぜ?」
 花桜梨と同じく念動力者であるほむら、きょとんとした顔で訊ねる。
「そりゃ、ゴッドリラーはT−LINK対応機じゃないもん。念動力はニュータイプと違って、あくまでT−LINKシステムと接続することによって力を発揮するから」
「そんなことよりもさぁ!」
 光、大声を出してその会話を遮る。
「その『ねんぱ』、どこから照射してるの!?。源をなんとかしないと、八重さんが!」
「せかすなよ!今、やってるって!」
「照射源、判明したよっ!……S21方向!!。こらちに向かっている所属不明の戦艦から!」
「所属不明艦?」
 匠が、怪訝な声をあげる。
「識別コードは?」
「出てないんだよ。SS軍でもないし、DOSVでもない」
「そんな、じゃあどこの」
「……敵、よ」
 その時、花桜梨がようやく言葉を発した。
「八重さん!?。大丈夫なの?」
「みんな、気をつけて」
 掠れた声で、花桜梨はみんなに注意を促す。
「あれは……敵。それも、とても嫌な」
 その言葉が終わる前に。
 花桜梨のいう「敵」は、姿をあらわした。
 それは、「サラミス級」と呼ばれる巡洋艦だった。PS軍が主に使用してる艦であるが、微妙に改修を受けているようだ。
「艦型照合、急いで!」
 匠の声に、オペレーターが急いでコンソールを叩く。
「ありました。『シェフィールド』です。使用している部隊は、『シスタープリンセス』!。メディアワークズの新設部隊です!」
 メディアワークズ。
 それは、いわゆる巨大軍事コロニー国家の名前だった。「レッドカンパニー」などと同じく、どこの陣営にも金で戦力を提供する、ある意味一番タチの悪い勢力。
 しかし、それよりも。
 光たちの目を奪ったのは、その艦の前に展開されているMSの中の一機だった。
「あれは……ガンダム!?」
 それも、ただのガンダムではない。重装甲を誇るその姿は、今から10日ほど前、PCE軍の残党である「アヤサキ=フリート」が、SS軍から奪い取ったガンダムだった。
「確かあれって……か、かかかかかか、核兵器搭載型だぞ!?」
 純の慌てふためく声をまともに聞いている余裕のある者は、誰もいなかった。




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