ときめき2−2



「あーあー。こちら、『ひびきの』艦長代理を務めます、坂城匠少尉であります」
 その通信は全方向回線でひびきの旗艦「トロイホース」から発せられていた。
 いわゆる、停船勧告である。この状況下では、セオリー通りと言えた。
 だが。
「ところでさぁ、僕は『ときめき』の中だったらやっぱり虹野さんが好みなんだよなぁ〜」
 そのセオリーから外れ、馴れ馴れしい口調で匠はときめきをナンパしにかかる。
「あ、でもボーイッシュな清川さんもいいし、エキセントリックな片桐さんも捨て難い……」

 ゴツッ。

 鈍い音が全軍に響いた。鈍器で固いものを殴ったような音。
「……えー、とにかく、『ひびきの』全員の総意のもと、アーガマの停船と、武装解除を勧告します」
 取り繕ったように生真面目な声に戻る匠。
「あなたがたの行動は、明らかに軍規に反しており、我が軍の統率を著しく乱すものであります。この勧告に応じてくださるなら、こちらも即座に武装解除し、貴官らを責任を持って保護することを約束いたします。寛大な処置が下るよう、ユーキ准将に上申もしてみましょう」
 そこまで一気に言ってしまってから、匠は「はあっ」と辟易したように溜息をつく。
「あー、こういう言い方は肩こるなぁ。とにかく、悪いようにはしないからさぁ。おとなしく捕まってみたりなんかしてくんないかなぁ〜〜〜……駄目?」



第二話
「Try Your Lack!」(2)





「ああ言ってるけど……どうする?」
 望が、アーガマの未緒も含めた全員に通信を開いて訊ねる。
「そんなん、考えるまでもないぜ!!」
「That‘s light!」
 それほど親しいわけではないが、「ひびきの」のメンバーの性格はだいたいわかっている。確かに坂城匠の言う通り、「悪いようにはしない」だろう。
 だが、PS軍上層部はそうではない。ただでさえ反逆の嫌疑がかけられている「ときめき」だ。これ幸いにと、処断しにかかるだろう。
「私たちのやったことって、軍から見れば立派な反逆行為なんですね」
 憔悴した声で、未緒。
「私たちに、もう帰る場所はなくなってしまったんでしょうか……」
「そ、そんなことないですよ!未緒先輩っ!」
「そうだよ!。無事に伊集院君のところに辿り着けたら、藤崎さん達を探して反逆の疑いを晴らせば……」
「でも、どうやって!?」
 感情をむきだしにしたその親友の声に、思わず沙希はビクッと身体を震わせた。
「紐緒さんに裏切られた今、『サイド6に行け』っていうのも、信じていいものかどうか……」
「ま、まだ紐緒さんのせいって決まったわけじゃ」
「いえ、多分如月先輩の言う通りでしょう」
 二人の会話に、鈴音が割ってはいる。
「警備隊の巡視挺ならともかく、戦艦が待ち受けているなんてタイミングが良すぎます。何者かに情報をリークされたって考えるのが、自然です」
「そ、そんな……」
 なおも抗弁しようとして、沙希は口ごもる。
「私も信じたい。信じたいけど、……正直私、自信なくなりました」
 ここまで落ち込んでいる未緒を見るのは、沙希ははじめてだった。
「それで、返答はどうする?」
 重苦しい沈黙の中、望が声をかける。
 親友にかける言葉もみつからないまま、沙希は逃げるようにしてチャンネルを切替え、全方向回線で通信を開いた。



「こちら、「ときめき」の虹野沙希です」

「確かに、私達の行為は、軍旗違反になるかも知れませんけど、停船勧告には応じられません」

「私達に反逆の意思が無いと言っても信じてもらえないと思うし、あなた達にも立場があるのはわかるけど、出来ることなら、同じPS軍のあなた達、『ひびきの』の皆さんとは、戦いたくありません」

「だから、この場は、戦闘をしたくないんだけど、実力で私達を止めようとするのなら、応戦も仕方ないと思っています」

「とにかく、投降は出来ません」




「みんな、聞いて!」
 ひびきのへの通信を終えた後、沙希はときめきの全員に呼びかける。
「疑いが晴れるまでは、私達も反逆者扱いで辛い思いもするかも知れないけど、私、藤崎さん達は反逆なんかしてないって信じたいの」
 もちろん、紐緒さんも……と付け加える。
「だから、ここは、出来れば戦闘も投降もしないで、みんな無事にこの空域から離脱することだけを考えよう?」
「優美も虹野センパイの言うとおりだと思うなぁ。逃げるのはちょっとかっこ悪いけど、正義の味方もたまにはピンチになるもんね。がんばってこのピンチを抜け出さなきゃ」
 無邪気な優美の声に、重苦しい空気がわずかに和む。
「具体的な方法は?」
「私、R−3の八重花桜梨さんと話してみる。彼女なら、力になってくれそうな気がするの」
「よし、なら、私のやることは決まったな!」
 気合の篭った声で、望。
「ゲッターは、ザブングルを援護するよ。R−3に接近する他の敵から守る。それでいいね?鈴音ちゃん、みのりちゃん」
 二人の後輩から、それぞれ「了解」「わっかりましたー!!」と返事が返る。
「オッケィ。それじゃ私は、アーガマを守るわ。母艦を落されちゃ、私たち宇宙で遭難だからね」
「じゃあ優美は、あのガンダムを相手にしよっと。スピードなら負けないんだからっ。頼りないお兄ちゃんの分までがんばるよっ!」
「新人のくせに、なに生意気いってんだ!。じゃあ俺は、あのドリルのついたロボットに好雄キックをお見舞いするとするぜ!!」



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作戦
光(チャチャッといくよ)225+20
八重(普通に)193
ほむら(全力攻撃!)129
琴子(普通に)124(122)

VS

彩子(慎重にね)202
優美(当たるわけには!)194
沙希(逃げまくるぅ)177
望(逃げまくるぅ)161
好雄(全力攻撃!)115
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