<作戦>
美月……ワンチャンス
セリオ……普通にいこうよ
虹野……普通にいこうよ


「あぁ……はじまっちゃったよぅ」
 今更ながら、虹野沙希は情けない喘ぎを漏らした。
 本来、応援専門を自認する彼女は、自分から戦うようなことはしたくなかった。ただ、がんばる人の傍でそれを応援していたい。それだけだった。
「私なんかが出たら、『ときめき』の名に泥を塗っちゃうだけじゃないかなぁ……。朝日奈さんか片桐さんが出れば、きっといいところまでいったのに」
 そこへ、通信が入る。
「こんにちは、虹野さん」
 明るい声と明るい顔。くるくるとまわる、丸い瞳が愛らしい。
 ラ・ドルーヤのエース、赤坂美月だった。
「ねえ、虹野さん。「ときめき」とボク達って今まで訓練の演習戦でも戦ったこと無かったよね?。そこで提案が有るんだけどさ、ボクと1対1で戦ってくれないかな?」
 ウインクしながら、美月は拝むような仕草をする。
「う、うん……でも、他の人とかは?」
「実はもう既にみさきちゃんやセリオさんには『邪魔しないでね♪』って頼んでるんだよね」
 てへへっと笑うその表情からは、悪意は感じられない。
「別に『どっちが上か?』とかは興味ないんだけど。虹野さん達、伝説の部隊『ときめき』とは一度全力で戦ってみたいと思っていたんだ。ボク達って同じPS軍同士だからこの機を逃したら二度と戦えそうにないし・・・ダメかな?」
「そ、そんな……伝説だなんて……すごいのは藤崎さんや清川さんたちで、私は何も」
 沙希は、自信があってこのファイトに参加しているわけではなかった。だが、参加する以上は、逃げてばかりいるわけにもいくまい。

(応援してくれてるみんなのためにも……がんばらないといけないかな?)

 はじめて「応援される立場」の気持ちがわかった沙希、思わずクスリと笑う。
「じゃ、おっけーだね♪まっててよお。すぐに空とんで駆けつけるからっ」

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第1ターン(戦闘時BGM:Door)

●美月
移動(9.20)
+牽制/P/ワイヤークロー>ザブングル

●セリオ
移動(5.23)

●虹野
精神「激励」>清川
牽制/P/4連ランチャー>バストール
+移動(10.22)

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 ピンク色のオーラバトラー「バストール」は、予告通り高速でザブングルの元に飛んできた。
「お待たせ。それじゃ行っくよ〜!」
 腕からワイヤークローが射出され、ザブングルの足元を狙う。
「やらせないよっ」
 沙希は素早くバストールの側面に回り込むと、ランチャーミサイルの弾幕を張る。
 美月の眼前で、爆光と爆音と爆煙が炸裂した。
「う、うわ!?」
「えへへ、牽制だけは、得意なんだっ」

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美月の牽制失敗
虹野の牽制成功/美月の次ターンの命中率と回避率−10%

※これは、虹野の「補助」の方が高いため。ただし、美月の戦闘リプライが緻密なため、実質−15%のところ5%効果軽減
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第2ターン(戦闘時BGM:疾風!ザブングル)

●美月
牽制/ミサイルランチャー>ザブングル

●セリオ
無行動

●虹野
攻撃/ライフル>バストール/92%+牽制修正10%

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「あちゃあ、失敗した。・・・ならこれでどうだ!」
 バストールは急上昇をかけると、沙希の遥か頭上からミサイルを撃ち込んでくる。
 空を飛べないザブングルは、なすすべがない。
「やーんっ!空からなんて……」
「へっへ〜ん♪ 虹野さんこちら、手の鳴る方へっ。な〜んてね♪」

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●美月の牽制成功
虹野の攻撃ダメージ10%軽減
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「お、おかえしよっ!」
 負けじとザブングル、手にしたライフルを空中に向かって撃つ。さすがにその狙いは正確で、バストールを見事直撃する。
「痛っ!……や、やるなぁ……」

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●バストール
ダメージ861×牽制修正0.9
=774
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第3ターン(戦闘時BGM:ダンバインとぶ)

●美月
作戦修正(命中率+20%、与ダメージ20%増)
精神「熱血」使用
攻撃/ハイパーオーラ斬り>ザブングル/100%

●虹野
攻撃/パンチ>バストール/100%

●セリオ
攻撃/ハイパーレールガン>バストール/84%+RB10%

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「ふ……うふふっ……アハハハッ!」
 突然、美月が吹き出した。沙希は思わず「ど、どうしたの?」と訊ねてしまう。
「アハハッ。嬉しいんだよ。虹野さんが、思った以上の強敵で。こんな楽しいの、ボク久しぶりだよ!」
「あ、あはは……そ、そうかな。私はとにかく必死で、楽しいどころじゃないんだけど」
 テレながら、沙希は頬を掻く。
「よーし!。じゃあ、もっと楽しくしよう!。ボクの最高の攻撃、受けてみてよっ!」
 沙希、思わずかしこまって「は、はい、どうぞっ」と答えてしまう。
「……じゃあ、いくよッ!!」
 バストールが、急降下をはじめる。
 オーラノズルの発するきらめきが、まるで尾のようにたなびく。
 手には、鈍く光るオーラソード。
「また、空から来る気ねっ!?」
 二つの腕を交叉させ、その上からの攻撃に備える。
 だが。
 見上げると、バストールの姿は空にはなかった。
「ど、どこにいっちゃったの?」
 答は、砂塵の中だった。
 先刻のミサイルの爆発で、巻き上げられた砂塵。
 その中から、剣を振り上げるバストールの姿が浮かび上がる。
「そ、そんなっ……」
「ハァァァァァァァァァァァッッッッ!!」

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●ザブングル
ダメージ1809×作戦修正1.2×精神修正1.3×RB1.2
=3386
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 ザブングルの左腕が、落とされた。
 だが、沙希の根性は不屈。
(今なら、空を飛べなくたって届く!!)
 鉄の拳をふりあげ、バストールの側頭部に思いっきり叩き込む。
「ろけっと、ばぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜んちっ!!!!」

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●バストール
ダメージ1638×RB1.1
=1801
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「うわあああっっっ!」
 弾き飛ばされたバストール、地面を転がる。ザブングルも、がっくりと両膝を地面につけてしまう。
 両者は、しばらく声も出ない。荒い息をつきながら、熱い血が収まるのを待った。
 やがて、美月が口を開いた。
「アハハ……まいったな。せっかく遥さんから無理言って借りてきたオーラバトラー、壊しちゃったよ」
「あ……ご、ごめんなさい」
 思わず沙希、ぺこりと頭をさげる。
「ううん。虹野さんが謝ることなんてないよ。どうせなら、お互いゲッターGとマジンガーで決着つけたかったね」
 小声で「東映○○○まつりみたいに」と付け加える美月。思いの他、彼女の年齢は高いらしい。
「あ、そういえば!」
「どしたの?」
「私、さっき思わず『ろけっとぱーんち!』って叫んじゃった!。このコ、ザブングルなのに!」
 申し訳なさそうに、沙希。自分の乗る機体に申し訳ないというのもヘンな話だが、それが虹野沙希という少女だった。
「アハハハッッ!!そりゃいいや!」
「も、もう、笑わないでよぉ!」
 ほのぼのとした空気が、流れていた。
 戦いが終われば、敵も味方もない。ただ、全力で戦ったあとの清々しい充足感が、二人の心にあった。

 だが。

 一発の銃弾が、それを引き裂いた。

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●バストール
ダメージ1263×RB1.1
=1389
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「あぅ……っ」
 美月のか細い悲鳴があがった。
 銃弾を受け、バストールは力なく大地にその体を預ける。
「な、なにが……」
 絶句する沙希。ザブングルのレーダーで、周囲を探る。
 そして、探知範囲ギリギリに、セリオのソルガディの姿をみつけた。
 ハイパーレールガンでの、超長距離射撃だった。
「ひ、卑怯よっ!そんなところから!」
 沙希、思わずセリオに通信を開いて抗議する。
 だが、メイドロボ特有の無機質な声と表情で、セリオは答える。
「これが、アクアでやってきた戦法です。『卑怯、汚いは敗者のたわごと』と、長岡志保様から教わりました」
「あ、あの人の言うこと、素直にきいちゃだめだよっ!」
 必死に抗議する沙希。だが、それでもセリオは表情を変えない。
「私の力ではこれしか作戦がないんです。私は、自分の出来ることを、します」
 そう言われると、沙希も二の句が告げなくなる。戦場に身を置くものとして、セリオの気持ちは痛いほどよくわかったから。
 その時。
 バストールが、その体を起こした。
「美月さん!。無事だったのね!」
 よかったぁ……と胸をなでおろす。
 だが、様子がおかしい。
「ククククククク……ハハハハハハハ……」
 忍び笑いが、バストールから漏れている。その声は確かに赤坂美月のものだったが、先刻までの無邪気と陽気が消え失せ、代わりに残忍と驕慢がその笑いに滲んでいる。
 どうしたの?と声をかけようとして、沙希は自分の目を疑った。
 少しずつ、バストールの姿が大きくなっているようにみえたのだ。
「アーッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!!!!!」
 笑いが大きくなっていくとともに、バストールの体も巨大化していく。
 目の錯覚ではない。
「み、美月さん!!どうしたの!?返事をしてっ!!」
「ククククク……やっぱり、私の邪魔をするんだ。誰も彼も、私の邪魔をッッ!!!」
 もう見上げるほどに巨大化してしまったバストールから、美月の声が響く。
「殺してやるよ!!お前ら全員、皆殺しだッ!!!!!」

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●ザブングル
HP1714/5100
●ソルガディ
HP6000/6000
●ハイパーバストール
HP7425/10000
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「赤坂美月」(豹変)
攻撃 62+13
回避 69+13
命中 65+13
速さ 60+13
運  58+13
補助 68+13

ハイパーバストール
HP 13000
装甲 1400
運動性 121
移動力 7
サイズ LL
適応 空A 地A 海B 宇B
特殊能力
オーラバリア…ビーム兵器による射撃攻撃を、2500まで無効化。
分身……命中率50%以下の攻撃をすべて必ずかわす。ただし、「全力攻撃」作戦の
時しか使えない。

オーラバルカン     1000  射1 命+25 弾10
ワイヤークロー/P   1000  2     −5   −
ミサイルランチャー   1250   4   −20  4 
オーラ菜切り包丁    1600   1   +25  −
オーラ鉄パイプ     1900   1   +15   − 
☆鉄パイプ乱打     2700   1  −10    2

<精神コマンド>
加速
気合
熱血(使用済)
必中
×補給
×覚醒

スキル
「聖戦士LV.1」
 オーラ斬り等の攻撃力に+100。戦闘リプライで使用すると、そのリプライの間
だけ回避率が20%アップする。
「豹変」(使用済み)
 全パラメータに+13。人格が姉の美月(真)と入れ替わり、バーサク状態にな
る。戦場の動くもの(味方含む)を倒し尽くすか、自機が破壊されるまで正気に戻る
ことはない。